患者さんとの相互の信頼関係を第一に
昭和33年(1958)、初代院長がここ大田原市に原眼科医院を開業。以来、およそ60年にわたり県北エリアを中心に地域医療に携わってきました。
開院以来、私たちが大切にしているのは、患者さんとの心の触れ合いです。心理学用語に「rapport(ラポール)」という言葉がありますが、それは「互いの心が通い合っている」「何でも打ち明けられる」「言ったことが十分に理解されている」といった相互の信頼関係を意味します。
眼に関する地域のかかりつけ医である当院は、「rapport」を診療方針の柱に、患者さんとの信頼関係を何よりも大切にしています。
医療機関との連携で、患者さんの不安や負担を軽減
近年の医療機器の進歩は目覚ましく、特に眼科医療分野においては高度な診断技術・治療技術が問われることから、最新かつ最高レベルの医療機器の導入は必須です。例えば、緑内障や白内障などの治療に使用する「レーザー治療機器」、各種検査に用いる「光学検査機器」がありますが、最新機器の導入により広範囲かつ早期の疾患発見が可能になりました。
さまざまな疾患が早期に発見できるようになったことで、最近では他の診療領域との連携が増えています。眼の異常がきっかけで脳腫瘍や糖尿病、蓄膿症などの病気が見つかることも珍しくないからです。
長きにわたり地域医療に携わってきた当院は、総合病院や地域医療支援病院をはじめ、隣接県など関東一円の眼科医院とのネットワークを構築しています。高度な疾患に対しては適切な医療機関を紹介することができ、また、遠方から来院する患者さんに対しては通院の負担を軽減するため、お住まいの近くの眼科医院を紹介することも可能です。
患者さんの立場に立てば、医療を提供する側においてもセカンドオピニオン的な発想が欠かせません。当院は患者さんの立場や諸事情を最優先し、患者さんと医療機関をつなぐ「ハブ」の役割を、これからも果たしていきたいと思っています。
患者さんの「視覚の質」に立脚した診察・治療を
地域のかかりつけ医としての強みは、患者さんの疾患以外に家族構成や家庭環境、暮らしぶりを把握していることかもしれません。何世代にもわたり通院する、顔なじみの患者さん家族であればなおさらで、それらの情報や履歴は当院の財産です。
そうした視点で考えると、医師の仕事は特定の疾患を治療するだけではありません。患者さん一人ひとりの「暮らし」や「生き方」に立脚した診察・治療が何よりも大切なことに気づきます。
これらは医療上の概念として「生活の質(Quality of Life)」と呼ばれますが、眼科医の間では「視覚の質(Quality of Vision)」と表現されています。
これからの世の中は今まで以上に核家族化が進行し、少子高齢化にも拍車が掛かります。そうした中でわれわれ眼科医は患者さんの「暮らしの質」を高め、なおかつ「視覚の質」を重視した医療を提供しなければなりません。
そのためには先に触れたように、患者さんとの信頼関係が欠かせないと考えています。